FOMOに負けない

ド下手アマチュア投資家。上手くなりたい。

9166 GENDA

素人ながら、9166 GENDAについて色々調べてみた。

 

■業績予想

M&A前の各社決算は官報等で発表されているものがあり、バフェットコードでもそれなりに拾ってくることができた。完全なデータではないが、これらを活用してざっくり予想をしてみた。

GENDA予想

2025年1月期の予想売上高は1000億円(今後の新規M&A寄与を考慮せず)とのことだが、既存の業績上積みでは達成できなさそう。

売上増を期待できるのは

GIGOエンタメ:ゲームセンターがもう少し伸びる

・伍彩:中国での店舗展開と売上アップ

・シン・コーポ:カラオケが脱コロナで更に売上が伸びる

くらいだろうか?

過去決算を見ると、カラオケはもっと利益が出ていた時期もある。ここが伸びる可能性は高いと思われる。中国も景気は悪化しているが、コンテンツ系への消費は底堅いのではないか。今から店舗展開すれば、それなりに売上・利益増に寄与してきそう。

 

新規追加になったサンダイがどの程度寄与してくるか。ミニロケは店舗5分の1相当で読んでみたが、九州の客単価が関東・関西に比べて低いという可能性もある。もっと売上・利益は低いかもしれない。

 

M&Aの方向性

1.グループ内で完結する施設運営

アミューズメント施設運営の運営は初期投資に大きな金額がかかりそうだが、基本的にその後は粛々と回収していくだけ。客が勝手に遊んでくれるから、サービス要員も少なくて良い。とすると次に絞れるのは商品の仕入れ。小売店が自社で製品を使って売るように、PB化していけば利益を更に確保できる。

 

・日本ポップコーン:かつて一世を風靡した高級ポップコーン専門店。全国の大丸に店舗出店していた時期もあったようだが、現在では実店舗数:3店にとどまる様子。原価率は低いだろうし、上手く高付加価値をつけられれば儲かりそう。

・レモネードレモニカ:これも高付加価値しやすそう。コーラや他のジュースは安いものが市場にたくさん流通しているから、わざわざ自社で作らなくても良い。ならばレモネードともならないが、海外へのチャネルを持っているところがポイントだったのだと思う。

・フクヤ、アレス:グループ内でフィギュアなどの各種グッズ、景品を作れる。外部購入してくる場合、意外と馬鹿にならないと思う。凝ったフィギュアを景品にしようとすれば、それなりに購入コストがかかる。かといってコスト優先にすれば、同じような品質・種類のものばかりになって魅力的な景品が少なくなる。

 

2.自社IP創出

本気でグループ内でIPコンテンツを創出したいと考えているのだろう。正直、ここはまだ曖昧に見える。M&Aで簡単にコンテンツクリエイターを手に入れるのは難しいだろう(良質なコンテンツ製作には人手も設備もかかるし、企業価値が高めと思われる)。例えば、過去にソニーもコロンビアピクチャーズを買収するには大金を支払った。まだGENDAにそこまでの資金力はないだろう。

 

・ギャガ:あくまで配給メインなので、自らコンテンツを生み出す力は無いだろう。とはいえ海外の製作・配給会社とのパイプはある。最近ではラ・ラ・ランドの配給に携わった。何か一発当たれば、関連コンテンツをアミューズメント施設で直接顧客にアピールすることができる。

ダイナモアミューズメント:元々はダイナモピクチャーズ(現・ニンテンドーピクチャーズ)の一部門。イベント作成やXRコンテンツ製作の技術を保有している。IPコンテンツの展開には役立つかもしれない。

 

3.海外展開

本気で海外展開を進めていきたいのだろう。アニメ・コンテンツの海外市場が巨大であるのは間違いない。とはいえ、ここもまだ明確な勝ち筋が見出せておらず、とりあえず海外チャネルを持つ会社をお得に買っていこう、という感じではないか。

 

・レモニカレモネード:海外店舗を既に保有している

・Kiddleton:米国で実店舗を展開。元々、ラウンドワン米国法人との合弁企業だったが、GENDAが完全子会社化したもの。店舗数も多く、米国顧客との接点になる。

・伍彩:中国子会社。これから大都市圏で店舗展開を進めていくと思われる。中国のコンテンツ市場は有望だが、オンラインゲームのように政府規制が入るリスクはある。

 

■同業他社比較

現実的には「アミューズメント施設運営」の企業と見るのが妥当と思う。もちろん、今後のIPコンテンツ展開の可能性は+αであるが。とすると、ひとまずのベンチマークは4680 ラウンドワンになると思う。

 

4680 ラウンドワン vs 9166 GENDA

予想PER 15.8 vs 25.2

PBR 3.51 vs 5.57

EV/EBITDA 7.0 vs 14.4

ROE 16.9 vs 27.25

EPS 36.0円 vs 121.8円

時価総額 2,357億円 vs 1,082億円

 

グループ内で付加価値をつけられる分、GENDAの方が利益水準は高くなっているように見える。ラウンドワンはボウリングがメインだから、必ずしも競合とは言い切れないが、似た業態と比べると相対有利と言えそう。

 

さらに自社でコンテンツ創出まで目指すとすると、例えば7832 バンダイナムコHDが比較対象に入ってくる。

7832 バンダイナムコHD vs 9166 GENDA

予想PER 18.9 vs 25.2

PBR 2.65 vs 5.57

EV/EBITDA 10.9 vs 14.4

ROE 14.62 vs 27.25

EPS 70.4円 vs 121.8円

時価総額 18,705億円 vs 1,082億円

 

このあたりまで見ると、GENDAはまだまだ安いのかなとも思える。期待値も含んだ値付けになるだろうから、M&Aの選球眼と早期のシナジー創出が株価上昇の鍵になるように思われる。